印刷の要!プロセス製版オペレーターの仕事とは?
希望の仕事に就きたい
先生、プロセス製版オペレーターって、今はどんな仕事をしているんですか? 説明文を読んだんですけど、ちょっと昔の仕事のやり方なのかな? と思って…
キャリア専門家
なるほど、良い質問だね。確かにプロセス製版オペレーターはデジタル化の影響を大きく受けた職業の一つだ。昔はフィルム出力などが主流だったが、今はDTPの普及により、コンピュータ上でほとんどの作業が完結するようになったんだ。
希望の仕事に就きたい
じゃあ、フィルム出力とかって今はもうやってないんですか?
キャリア専門家
ほとんどの場合行われていないね。ただし、高精細な印刷が必要な高級美術書など、特殊な印刷物においては、今でもフィルム出力とそれを利用した製版方法が用いられることがあるんだ。
プロセス製版オペレーターとは。
- プロセス製版オペレーターの主な仕事内容
- プロセス製版オペレーターとは、カラー印刷物の制作において、グラフィックデザイナーが作成したデザイン原稿に基づいて印刷用の版を作る仕事です。 昔も今も印刷の出来栄えは版の出来栄えに左右される度合いが大きく、製版工程は印刷の工程の中でも、もっとも手間と技術を要する分野です。 印刷の版には凸版・オフセット(平版)・凹版があるが、現在はオフセット印刷のプロセス製版(写真製版)が主流になっていいます。 作業は、分解、集版、校正の3工程に分かれます。 まず、指定された色調や濃度の調整、デザイン原稿と出来上がり寸法の倍率調整を行った上で、カラースキャナーを使って原稿を黄・赤・青・黒の4原色に色分解し、4色データを作成する(分解)。 次に、デジタル化された写真の情報を、コンピュータのディスプレイ上で確認や修整を行う。原稿のレイアウトに従って写真と文字を組み合わせ、印刷原版用のデータを作り上げる(集版)。 データを原色4枚のフィルムに出力して、印刷原版を作成するか、直接データをDDCP(Direct Digital Color Proofing:デジタルデータを直接紙に出力し色校正に利用する装置)で出力する。 印刷原版を元に試験刷りまたはDDCPで、誤植やレイアウトの誤り、4枚の版のずれ、色調などを念入りにチェックして修整する(校正)。 さらに、注文主のチェックを受けて修整し、次の印刷工程に送ります。
- プロセス製版オペレーターになるには
- この職業に就くには、特別の免許や資格は必要ありません。色覚に異常がなく、コンピュータに対する興味や手先の器用さが備わっているといいでしょう。 高校・大学の工芸科(印刷、画像応用科)、職業訓練校の印刷科、専門学校のデザイン科、写真科などを卒業していると入職に有利になるでしょう。 厚生労働省が実施している技能検定に「製版」があり、「製版技能士」の資格を取得すると技術が評価され、昇進や給与の面で優遇されることが多い。
プロセス製版オペレーターの役割と重要性
印刷物を作る上で、写真やイラスト、文字などを美しく正確に再現するために欠かせないのがプロセス製版という工程です。そして、その工程を担うのが「プロセス製版オペレーター」です。彼らは、デザイナーが作成したデジタルデータを受け取り、印刷機で正しく印刷できるように色調や画像を調整する、いわば「印刷前の最終調整役」といえます。
プロセス製版オペレーターの仕事は多岐に渡りますが、主な役割としては、①色調補正、②画像処理、③出力データの作成などが挙げられます。彼らは、高度な専門知識と技術を駆使し、印刷物の品質を左右する重要な役割を担っています。最終的な印刷物の仕上がりを決める上で、彼らの仕事は非常に重要であり、「縁の下の力持ち」として、印刷業界を支えています。
印刷工程におけるプロセス製版の位置づけ
美しいチラシやポスター、雑誌の表紙など、私たちが目にする印刷物は、実は多くの工程を経て作られています。その中で、印刷の品質を左右する重要な役割を担っているのが「プロセス製版」です。
プロセス製版は、デザイナーが作成したデジタルデータをもとに、実際に印刷機でインクを乗せるための版を作る工程です。写真やイラスト、文字など、デザイン要素ごとに異なる色の版を正確に作成することで、最終的に鮮やかな印刷物を作り出すことができます。
印刷工程全体の中でのプロセス製版は、いわば「設計図」から「建築現場」へと橋渡しをする役割を担っています。プロセス製版の精度が、最終的な印刷物の品質を大きく左右するため、プロセス製版オペレーターは、印刷工程全体において非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
プロセス製版の工程 – 分解・集版・校正
印刷物を作る上で欠かせないプロセス製版。その中でも、デザインデータから印刷用の版を作るまでの工程は、まさに職人技が光る工程です。
ここでは、プロセス製版の工程の中でも特に重要な「分解」「集版」「校正」について詳しく解説していきます。
– 1. 分解 – 色の要素に分解する
印刷では、CMYKと呼ばれる4色のインクを使って、色を表現します。プロセス製版ではまず、デザインデータに含まれる色を、CMYKの4色に分解する作業を行います。これを「色分解」と呼びます。色の濃淡や組み合わせによって、最終的な印刷物の仕上がりが大きく変わるため、オペレーターは長年の経験と知識を駆使して、色の調整を行います。
– 2. 集版 – 版に載せるデータを配置する
色分解が完了したら、次は「集版」と呼ばれる工程に進みます。これは、印刷するページ順や向きなどを考慮しながら、分解した各色の版に載せるデータを配置していく作業です。この工程では、印刷時の効率やコストを計算しながら、正確にデータを配置していくことが求められます。
– 3. 校正 – ミスがないか入念にチェック
分解・集版が終わったら、いよいよ印刷用の版が完成します。しかし、ここで終わりではありません。最終的な印刷工程に移る前に、「校正」という工程で、完成した版データに誤りがないかを入念にチェックします。文字の誤植や画像のズレ、色の違いなど、細部にわたって確認し、必要があれば修正を加えます。
このように、プロセス製版は、分解・集版・校正といった複数の工程を経て、高品質な印刷物を作り出すための重要な役割を担っています。それぞれの工程で、オペレーターの専門的な知識や技術が活かされているからこそ、私たちの目に届く印刷物は、美しく鮮やかに仕上がっているのです。
プロセス製版オペレーターに必要なスキルと知識
プロセス製版オペレーターは、高い精度と専門知識が求められる仕事です。具体的には、色調や画像の補正、レイアウトの確認、印刷機の特性に合わせたデータ調整などを行います。これらの作業には、専門的なソフトウェアを使いこなす高度なスキルが必要です。
また、印刷工程全体や、色に関する深い知識も求められます。例えば、色の表現方法や、印刷方式による色の変化などを理解していなければ、イメージ通りの色を再現することはできません。さらに、クライアントの要望を理解し、的確に反映させるためのコミュニケーション能力も必要不可欠です。
プロセス製版オペレーターの将来性とキャリアパス
プロセス製版オペレーターは高度な技術と経験が求められる仕事ですが、印刷業界のデジタル化が進むにつれて、その役割は変化しつつあります。
従来の印刷技術に加え、デジタル印刷の知識やスキルが求められるようになり、プロセス製版オペレーターの活躍の場は広がっています。例えば、Webサイトや電子書籍など、デジタルコンテンツの制作に携わるケースも増えています。また、顧客の要望をヒアリングし、最適な印刷方法や用紙の選定などを提案する、営業的な役割を担うこともあります。
このように、プロセス製版オペレーターは、時代の変化に合わせてスキルアップすることで、将来もさまざまなキャリアパスを描くことができます。印刷業界で長く活躍したいと考える方はもちろん、デザインやデジタルコンテンツ制作に興味がある方にとっても、魅力的な職業と言えるでしょう。