建築板金工の仕事：キャリアパスと将来性
希望の仕事に就きたい
先生、建築板金工ってカラー鉄板を使うことが多くなったって書いてありますけど、昔はどんな材料を使ってたんですか？
キャリア専門家
いい質問ですね。昔は銅版やトタン板がよく使われていました。銅版は寺院などで見られる緑青色の屋根に使われていたものです。トタン板は軽量で安価でしたが、錆びやすいという欠点がありました。
希望の仕事に就きたい
なるほど。それでカラー鉄板が使われるようになったんですね。カラー鉄板は錆びにくいんですか？
キャリア専門家
その通りです。カラー鉄板は表面に塗装が施されているので、錆びにくく、色褪せもしにくいという特徴があります。そのため、住宅の屋根で広く使われるようになったんですよ。
建築板金工とは。
- 建築板金工の主な仕事内容
- 銅版などの薄い金属板を使って屋根をふく仕事に携わるのが建築板金工です。最近ではカラフルで軽量のカラー鉄板が屋根に広く使われるようになり、建築板金工の手がける仕事もカラー鉄板を使うケースが多くなっています。またアルミ板とかステンレス板やチタニューム板を使って屋根をふく工事も増えてきました。建築板金工はその技能の熟練に伴って、施工図の作成、数量･価格の積算などの仕事をすることもあります。自営の場合は、屋根構造、材料、施工方法などの検討を施主から求められることもあります。こうした仕事の他に、建築設備の分野で活躍している建築板金工もいます。
- 建築板金工になるには
- 建築板金工になるには、特別な資格や能力は必要ありません。従来は中学または高校卒業後、縁故や学校紹介などで就職し、建築板金工見習いとして修行しながら、熟練工をめざすケースが多く見られましたが、最近では職業訓練校で技能を磨き、国家資格である技能士の資格を取得する若い人が増えてきました。未経験者の入職はまだ少なく、若い人の割合も少ないため、建築板金工の平均年齢は年々高くなっているのが現状です。建築板金の技能検定は内外装板金作業とダクト板金作業に分けられ、昭和34年から検定が実施されています。
建築板金工の仕事内容とは？
建築板金工は、建物の屋根や外壁などを、金属製の板金を使って施工する仕事です。具体的には、図面に基づいて金属板を切断、加工し、屋根や外壁に防水シートや断熱材を敷設した後、板金を丁寧に張っていきます。他にも、雨どいなどの雨水処理設備の設置、太陽光発電システム設置に伴う板金工事なども行います。 高い場所での作業や、金属板の加工など、体力と技術が求められる仕事と言えるでしょう。
伝統技術と新しい素材への対応
建築板金の世界は、ただ屋根や壁を施工するだけでなく、伝統的な技術と新しい素材を融合させることで、常に進化を続けています。昔ながらの銅板や瓦を使った日本建築はもちろん、現代的なデザインの建物にも、軽量で加工しやすいガルバリウム鋼板など、様々な素材が使われています。そのため、建築板金工は、伝統的な技術を継承しながらも、新しい素材や加工技術を積極的に学び続けることが求められます。近年では、CADを使った設計や、3Dデータをもとにした加工など、デジタル技術の導入も進んでいます。こうした技術を習得することで、より精密で複雑な加工が可能となり、建築デザインの幅も広がります。伝統と革新が交差する建築板金の世界は、まさに「職人技」と「先端技術」が出会う現場と言えるでしょう。
キャリアパス：職人から現場監督、そして独立へ
建築板金工として一人前になると、その先にどのようなキャリアパスが広がっているのでしょうか？大きく分けて、現場監督、独立、そして専門職への道があります。
まず、経験を積んだ後、現場監督を目指す道があります。現場監督は、工事全体の進捗管理や安全管理、品質管理など、現場における責任者を務めます。長年培ってきた技術や知識を活かし、多くの職人をまとめながら、建物を完成へと導く役割を担います。
次に、独立して自分の会社を立ち上げる道もあります。独立すれば、自分の裁量で仕事を進め、お客様と直接やり取りしながら、自分の技術で理想の建築物を作り上げていくことができます。もちろん、経営者としての責任や苦労も伴いますが、大きなやりがいを感じられる道と言えるでしょう。
さらに、特定の分野の専門職に就く道もあります。例えば、高度な技術が求められる文化財の修復や、特殊な建物の施工などに携わる道です。専門性を高め、独自の技術を追求することで、他に代わりがいない存在として活躍することができます。
このように、建築板金工の仕事には、自分の経験やスキル、そして将来の目標に合わせて、様々なキャリアパスを描くことができます。
建築板金工に必要なスキルと資格
建築板金工として活躍するには、専門的なスキルと資格が求められます。ここでは、建築板金工を目指す方が身につけるべきスキルと資格について解説していきます。
まず、高い寸法精度で金属を加工する技術は必須です。図面を読み解き、ミリ単位の誤差も許されない厳しい環境で、正確に金属板を切断、加工する技術が求められます。さらに、はんだ付けや溶接などの技術も重要です。金属板同士をしっかりと接合することで、建物の耐久性を高める役割を担います。これらの技術は、経験を通して身につけていくものですが、専門学校などで基礎を学ぶことも可能です。
資格に関しては、「建築板金技能士」の資格が国家資格として存在します。1級、2級、3級と段階があり、それぞれの級で求められる技能レベルが異なります。資格を取得することで、自身のスキルを客観的に証明することができ、就職やキャリアアップに有利に働きます。建築板金工として更なる高みを目指すなら、積極的に資格取得に挑戦していくべきでしょう。
建築板金工の将来性とやりがい
建築板金工は、建物にとって無くてはならない「外装」を手がける仕事です。高い技術と経験が求められる仕事ですが、その分、建物を完成させた時の達成感や、自分の手で作り上げたという誇りを感じることができます。ここでは、建築板金工の将来性とやりがいについて解説します。
建築板金工の仕事は、AIやロボットに取って代わられることが難しいとされています。なぜなら、現場の状況に合わせて柔軟に対応していく必要があるため、高度な技術と経験が必要とされるからです。そのため、将来性に満ちた職業と言えるでしょう。また、近年では、デザイン性や省エネ性能に優れた建築物の需要が高まっており、建築板金工の技術がますます求められています。
建築板金工のやりがいは、自分の手で作り上げたものが、形として残ることです。自分が施工した建物が街の風景の一部となり、長く人々の暮らしを支えていくことは、大きな喜びと言えます。また、経験を積むことで、より高度な技術を身につけることができ、職人として成長を実感できる点も魅力です。さらに、独立して自分の会社を立ち上げることも夢ではありません。